終わりたくない vol.4 | 電車に乗ってるあたまの中

終わりたくない vol.4

トイレットペーパーの芯事件で

製造元にクレームをいい、

残りのペーパーもすべて製造元に返し、

新しいものを送ってもらった。


今度こそは最後まで気持ちよく使い切りたい。



そんな矢先。


使っていたシャンプーとリンスが

同時に切れた。


ポンプの「スカ」という音を楽しんでから、

ボトルのねじ蓋を回しあけ、

最後の「のこり」を出すために

ボトル口に手をあてて、数回さかさまに叩いた。



すると


手の上にドロッと広がる液体の中に

なにか異物が混入しているのが

分かった。



再び、「おわり」を邪魔されたことに

異常な憤りを感じながら、

異物をつまみとった。


その感触、ぬれた布切れのようだった。



最近の製造業は一体なにやってんだ!

品質管理という概念はないのか!


シャワーで布についたシャンプーを

洗い流し、濡れそぼった布切れを

広げた。







うわっ!!




思わず布切れを壁に投げつけた。


そこには


「終わりたくないです。」



と赤字で書かれた、見覚えのある台詞があった。



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第五話へつづく