終わりたくない vol.3 | 電車に乗ってるあたまの中

終わりたくない vol.3

剥き出しになったペーパー芯に

何か模様のようなものが

入っていた。


一瞬、昔新聞回収と交換に配られた

トイレットペーパーの芯に

「毎度ありがとうございます」

と印刷されていたことを思い出す。



若干懐かしい気持ちになり、

その模様に焦点を合わせた。



その瞬間、自分の目を疑い、そして混乱。





「終わりたくないです。」

そう、芯に記されている。



・・・・?なんだ?

ギャグかなにかか?


目の前に近づけてじっくりとみる。



ざわっ。


背中の産毛が逆立つのが分かった。



手書きの文字だ・・・。


赤で書き込まれたその文字は、

きちんと「手書き」であることを指し示すかのように、

マーカーのインクのにじみまで見える。



おいおい、ふざけるな。

製造過程でのいたずらか?

製造元にクレームだな、こりゃ。

こんなんを一ロール分も使い切ってしまった。

なんて「心地悪い終わり方」なんだ。

くそ。


無性に腹が立ち、

芯を思いっきり投げ捨てた。



しかし、この日を境に、

奇妙な出来事が起こるようになった。


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第四話へつづく